おおよそ全体の1〜2割ほどですが、リードを自作していらっしゃる生徒さまもおられます。昔は楽器店にオーボエリード など取り扱いがなかった時代もあったそうで、中高生も自作が基本だったと聞いたことがあります。今はたくさんのリードメーカーさんがいらっしゃって、お好みのリードを選ぶことのできる恵まれた時代ですが、突き詰めていくと、やっぱり自分にとって理想のリードを作れるのは自分だけだと思います。好きな削り方なのにチューブが違う、全長がちょっと短いetc・・・完璧に自分の好きな設定でマイ楽器にも合う市販品は、基本的にはないと思います。しかし最初は理想とはほど遠く、音が並ぶリードにすらならないので、挫折される方も少なくありません。削れるようになればコスパは良いけれど、それまでにかかる時間と労力を考えると、トータル本当にコスパが良いのかは分かりません(汗)完璧な理想とならないことは割り切って市販品を使うというのも正解と言えると私は考えます。

さて・・・前置きが長くなってしまいましたが、今回はリード自作者が「うまく削れない!!」と悩んだ末に進みがちなメーキングマシーンの導入と、リードメーキング上達方法について触れていきたいと思います。

リードを制する者は、手削りを制す!!

手削り(ツルツルの状態から完成までハンドナイフで削ることを「手削り」といいます)がうまくいかないといっても、すぐにメーキングマシーンを導入するのは、実はあまりおすすめではありません。削るのがうまくないなら機械にやってもらっちゃおう!という発想は分かります。その発想になるとメーキングマシーンである程度吹けるところまでガシガシ削ってしまうのですが(量産の必要がある市販品はそのように作り、なるべく最後の手直しを減らすのがセオリー)、材質ごとに個性があるので、私個人の場合はマシーンを使うのは6割くらいのところまでで、残りの4割は手削りでの調整をしています。つまり、メーキングマシーンを導入したとしても、手削りは結局やらなくてはならないのです。また、マシーンをかけた後の微調整は勘も大事なので、手削り経験の多さも重要です。よって手削りとは、なるべくたくさん経験しておかなくてはならない道ということです。

リード作りを上達させるには、とにかく本数をたくさん作ること、手削りの経験をしっかりと重ねることに限ると思います。本数も、コンスタントに作るほうが、体も覚えてくれます。オーボエの練習と同じですね。メーキングマシーンの導入については、手削りですべて作れる技術がある程度身についた後が良いと思います。手削りに悩んで急に買ってしまう方もおられますが、悩みがマシーン導入ですぐパッと解決したケースを拝見したり経験したことは私自身ないので、もしできるならその悩みを手削りで乗り越えられたいですね。便利そうなマシーンを見ると私も試したくなっちゃうのですが、手持ちの機械をカスタムしたり手直しの仕方を変えて試行錯誤しようと思う今日この頃です。