発表会やおさらい会だけでなく、レッスンの中だけでのもののも含め、ソナタや協奏曲もしくは小品集といったオーボエのためのクラシック作品を何か取り入れるときには、まず候補をいくつかご提示した上で選曲をすることが多いのですが、その際に大きく分けてふたつの考え方があり、今回記事にしてみます。頭の中には常にあったけれど、文字として起こすのは初めてだと思います。

「これから得たいもの」から選ぶ

初期はこのパターンでしか選んだことがなかったかもしれません。わかりやすいケースだと、「指回りを克服したい!」と考える方には古典派の協奏曲、「度胸をつけたい!」と思う方には有名どころといった様子で、これからその曲を演奏することによって得たいスキルが身につくように選んでいきます。特にレッスンのみで取り組むならこの流れはとってもおすすめですが、何か本番があるとなると、その本番までにできるようになる上達予測がある程度立っていなければならないので、その辺りの見定めがポイントです。

「持っているもの」から選ぶ

先述の選び方だと本番過度に緊張してしまいそう、お仕事が忙しくなりそうで練習できるか・・・等の不安を抱えている場合や、リードや楽器に何か解決したい課題を抱えている場合には、「すでに持っているもの」で勝負できる曲をピックアップしています。この流れであれば心に余裕があるので、練習も本番もより楽しめると思います。

どちらの選び方が良いかは、その時々で

どちらか一方に偏るよりも、そのときの状況などで選び方を選択すると良いと思います。「この曲ができるように頑張るぞ!」と前向きに課題に立ち向かえるときはちょっと攻めてみたり、「ゆとりを持って本番に望みたい」と思うときは少し音符が少ない易しいものにしてみたり。攻めの曲ばかりになると疲れてしまうし、逆にゆとりのある曲ばかりだと気が緩んでしまってなかなか上達実感が得にくかったりするので、このバランスを大切にできたらいいなと思いました。この匙加減は講師がしっかりと考えを持ってナビゲーションすることがまず大事ですので、講師の経験がものを言うと思います。もちろん、講師の独りよがりとならないよう、レッスンで生徒さまと対話していきながら進めていきます!

課題探しに迷う方は、ぜひレッスンでご相談くださいね。