比較的よく生徒さまから、「速いパッセージをガシガシ吹けるようになりたい」と言われます。吹奏楽はとくにアレンジ上、無理くりな運指が多いですよね。生徒さまから場所をご指定いただき、「ここをどうにか!」とリクエスト頂くことも割とあります。確かに替え指などでスムーズにできる場合は、ピンポイントの練習で解決できますが、根本的に指が回るようになるためには、体の使い方から見直す必要があります。

見直しポイント①関節の使い方

肘・手首・指の関節の使い方を見直していきます。使わなくて良いところに負担がかかっていると、必要以上に疲労してしまったり、故障してしまうことがあります。全ての動きが本当に必要かどうかをじっくり見直して、必要のないものを徹底的に省いてシンプルにしていきます。そもそも、自分のイメージと実際の体の動きが異なっていることもあるので、全身鏡でいろいろな角度から見ていくと良いですね。

見直しポイント②楽器をどう支えているか

人によっては、左右の手で楽器をギュッと握るようにして重みを支えていることがあります。そうすると指が自由に動いてくれませんので、理想は楽器の重みを右の上腕二頭筋(いわゆる力こぶの描写となる筋肉です)を中心に支えていくのが良いと思いますが、先述の関節の使い方次第では手首や肘に負担がかかっていることもあります。

見直しポイント③日頃から音階練習をしているか

難しいパッセージも、ベースは音階です。基礎練習の中に必ず音階練習を日替わりで取り入れ、全調楽譜を見ることなく体で覚えて演奏できるようにしておくと、いろいろな調に対応することができます。ゆっくりから可能な限り速くなど、パターンもさまざまに練習をしてみましょう。

日頃からこの記事にも書いていることですが、レッスンは残念ながら即効性があるものは少ないので、練習のときの小さな心がけの積み重ねがとても大切です。いつか難しい曲もササっと吹けるようにするためにも、地味な基礎を着々と積み重ねていきましょう♪基礎練習はどれも決して華やかではないですが、私は音階の練習、とても好きです。奥深さを楽しめたらいいですね。