5月も中旬を過ぎて、梅雨の足音がしてきました。真冬と違って割れリスクは少ないものの、湿気でリードも楽器もやられてしまう時期です。そんなことから、今日は少し細かめな楽器ケアについて、お話していきたいと思います。

管体割れ防止オイルは、天候を見て

何年か前から、JDRさんで新品楽器を購入すると「管体割れ防止オイル」を付けてくださるようになりました。私自身こちらを愛用させて頂いているのですが、これは人の肌でいうところのハンドクリームなので、湿気過多なときは不要だと思っています(ただしこれは山内個人の判断)。梅雨時期は、エアコンによる冷えさえ気をつければ、通常使用であれば割れるリスクはかなり低いので、その日の天候をみて使うようにすると良いと思います。ちなみにこのオイルは、JDRさんで新品楽器を購入した方以外でも、お店で購入ができます。私は割れやすいと言われるマリゴ901を使っていることもあり、真冬など極度に乾燥するときは、いまも使っています。おかげで購入4年で割れゼロなので、ご興味ある方はぜひ使ってください。

タンポの水は、しっかり取る!

第1・第2オクターヴキィのトーンホールは、よく水を飛ばしましょう。レッスンでも初期はしっかりやっておられるのですが、徐々に慣れてくると省略してしまっている方もちらほら・・・。水気が残っていると、タンポが硬くなってしまって、正常にトーンホールを押さえられなくなります。交換ももちろんできますが、割高なので(!)ぜひデイリーケアをしっかりと行なって、ご長寿タンポを目指しましょう。

通常時に閉ざされているコルクタンポには、ペーパーをはさんで

これは実践していない方も多いかもしれません。なにもキィを押していないときにトーンホールを押さえた形になるコルクパッド。実は、演奏後に水が流れてコルクをヒタヒタにしてしまっていることがあります。全箇所でなくて良いのですが、上管に関しては第1・第2オクターブキィと、中指前後にあるトーンホール。下管はFの音を吹いたときに開くトーンホールと、フォークFレゾ。これらにはクリーニングペーパーを手頃なサイズにカットして挟んでおくと良いです。面倒なのですが、これだけでダメになりやすいタンポたちがご長寿になります。

キィオイルは賛否あり

キィオイルを自主的に差す方もおられますが、リペアマンさんによっては自分でやらないようにと仰います。私は、学生時代から長くお世話になっていたリペアマンさんから、「自分で差すと、かえって埃を吸着させて不具合が起きるから、やらないでね」と言われていたので、基本的にはこまめにリペアに出して、キィオイルを自分で差さないといけなくなるシチュエーションをなくし、自分でのケアはしないようにしています。でも、加減がわかればいつかはトライしてみたいですね。