いつも私は子どもたちのレッスンをする際に、昔の自分を思い出しています。子どもの頃の私は遠回りが多くて、大事なことを聞き逃したり、その割に余計なことをしたりしていました。当時素直に先生におっしゃられたことをその通りに受け取って練習していれば、もっと上手くなれたんじゃないかと、未だに思うのです。だから、子どもたちにはあの頃の私のような遠回りはして欲しくない!私のような無駄な遠回りをしなければ、もっと楽に上手になれるはず!と思い、「どう伝えて、どう受け取ってもらうか」それを前面にレッスン計画を立てていました。
しかし、先月おさらい会で小中学生の子どもたちの演奏を聴いて、ハッとするものがありました。演奏を丁寧に聴くと、その子の個性がはっきりと見えてくるのです。「私はこう吹きたい」「私はこう思う」そんな思いが演奏に乗って私に届いてきました。たとえ普段レッスンで口数が少ない子でも、この個性は必ず全員にあります。そんな個性をまず講師が受け取って、子ども1人ひとりの良さを伸ばしていくことがベースでありたい、そう考えるようになりました。受け取って欲しいなら、最初に自分が受け取ろう、というシンプルですが実践できていなかった大切なこと・・・
発表会などのイベントをすると、同じオーボエなのにまるで別の楽器のようにさまざまな音色を聴くことができます。それが、もっとも演奏者が大切にしたい個性。こうなりたいという目標の音があることも大事なのですが、皆そのままでも魅力的なのです!まずはご自身の持つ音の個性を知って、好きになって欲しいですね。これは、自分自身を好きになることと似ていますね。
私も、自分の持っているものを伸ばして、もっと自分を好きになれるように、そんな練習をしてみようと思います♪