こんにちは

本日は、近頃ご質問やご相談を多く頂く、音大・音高受験に関するお話をさせて頂きたいと思います。

吹奏楽部に所属していて、オーボエを演奏するのが楽しくて、自分に自信もついて、このまま音高や音大に進みたい!と思うことは、割とよくあることだと思います。とくにオーボエという楽器を演奏していると、こだわりが強く一点集中型の子が多いので、その傾向があるように思います。

私は、音楽の道に進むことを決してネガティブにはとらえていませんが、ある一定の覚悟が必要になるので、現実的な結構シビアなお話をさせて頂いています。これから下はぜひ覚悟をお決め頂いてから、ご覧ください…。

今回は第一弾として、お金のお話です。

ご家庭の経済事情

音楽を学ぶには、多額の資金が必要です。まず受験のためのプライベートレッスン、ソルフェージュやピアノのレッスンなど通って、確か私は月に5万円程度はかかっていたと思います。(それにリード代、リペア代もあったのでもっともっとかかっています)そして晴れて入学しても、年間200万円、入学金なしでも800万円程。さらに大学に行きながらサマースクールやプライベートレッスン、楽器の買い替えなどもかかってくるので、おおよそ1000万円程度の学費が発生します。大学院にさらに行こうとしたり、留学という選択肢を選ぶ方も多いので、そのあともこのような出費は続きます。

そして、これだけのお金をかけても、フリーランス音楽家の平均年収はたったの100万円。月換算で8万円程度になります。ちょうど扶養に入れる位でしょうか。大人になるとたとえ実家暮らしにしても年金や保険料など生きているだけで数万円が出ていきますから、例えば奨学金で出てしまうと、とても音楽だけでは生活していけないので、他にお仕事をしていかなければなりません。その他のお仕事によって、今度は本業であるはずの音楽の仕事が入れられず、府のスパイラルに入る方を、私はとても多く見ています。

何が言いたいか、と言いますと、奨学金を使っての私立音大入学は、出来る限り避けるべきことなのです。例えば医大といった、就職すれば必ずそのお仕事で稼いで行けるものであれば、奨学金も意味のあるものなのですが、音楽に関しては、返済のためになりたかった仕事に就けないパターンがほとんどです。

 

私自身はとてもその点に恵まれていて、一度もお金の心配をすることなく、学生生活を終えることができました。けれどそれは、一般的な家庭の私の実家にとって決して当たり前のことではなく、きっとさまざまなことを犠牲にして、私の夢を応援してくれていたのだと思います。

いつか私に子供ができたときには、同じようにしたい、それが親への恩返しかなぁ…とぼんやり思っています。

 

それではまた来週♪