最近はやっていないのですが、リード制作講習会をしていた頃、オーボエを始めたばかりの方からも幅広くご受講をおすすめしていました。初級者の方にとっては、リードの仕組みを知る意味で、非常に有意義だからです。しかし、自作リードだけで演奏できるようになろうとすると、適齢期があるなぁと感じるようになりました。初心者の方がリード作りを始めると起こる問題について、掘り下げていきたいと思います。

「良いリード」がよく分からない

ほんのちょっとしたところを削って見違えるように良くなることも、その反対も多くあるので、リードづくりにおいては、たくさんのリードを見て、吹いてきた経験が大事です。ところが、始めたばかりの状況だと、どのようなものが良いリードなのか検討がつかず、どこを削って良いかが分かりません。レッスンでお伝えすることはできても、自主的に削ることがなかなか難しいようです。お手本となるリードを見ながら削るということもできますが、材によっても変えなくてはならない部分もあり、うまく行きづらい印象です。

また、自分にあったスクレープ(削る面積)の範囲やチューブもはっきりとしていないので、そういう意味では初心者のうちは、そもそも自身にとって「良いリード」が定まっていない状況でもあります。まずは、どんなリードが一般的に良いとされているか、もっと踏み込めば自分に合うかのどうか、ある程度分かってきていることが自分で自分のリードを作れるようになるターニングポイントのように思います。

初心者のうちは、練習時間重視が良い

大人になってからオーボエを始めたケースだと、だいたいヒンケの2/3が終わるまでが初級というイメージです。この期間は、リードづくりより練習をするほうがより大切だと思います。社会人だとそもそもオーボエにかけられる時間も限られているので、練習に重きを置きたいところ。それがリード作りに時間を取られると、練習時間が短くなり、迷子になっていくケースも少なくありません。自作リードではコントロールもうまくいかず、本来なら進めるところで足踏みしてしまって、苦しくなってしまいます。

自給自足化には適齢期がある!時期は担当講師と相談しましょう

人によって具体的な時期は異なるものの、リードを自作して回せるようになる適齢期は、誰にもあると思います。この時期がベストタイミングよりも早いと上達ペースが一気に遅くなってしまい、スランプのもとになってしまうことも。とはいえジャストでスタートできないこともあるので、「よし今だ!」と思った時に自作のみに切り替えてみて、演奏でうまくいかないことが半年以上続くという場合は、時期尚早であったという判断で良いと思います。そんな時はいったん自作ペースをゆるめ、市販品とのご併用がおすすめです。

決して初心者のうちは全く自作しないで!と伝えたいわけではなく、完全自給自足モードになっていくタイミングだけ気をつけ、練習との両立ができていれば、初心者も上級者も皆チャレンジしたら良いと思います!

なるべく苦しさを減らして、皆さまにとって楽しいオーボエライフとなりますように♪