今回の記事は、初級の楽器を全否定する趣旨でもなければ、上級の楽器を買えばそれだけで自動的に上達できるという趣旨でもありません。当然ですが、「私のレッスンを受けるなら、〇〇以上のレベルの楽器でないとっ!!」みたいな昔ながらのお師匠さまみたいなスタイルでもないので、どんな楽器をお持ちの方でもレッスンは幅広く実施いたします。ただ、初級の楽器を購入するなら前に読んでおいて頂いて、ご理解頂いておくと良いと思ったので、今回は記事にしました。

楽器のレベルに見合った上達は、あると思う

長年オーボエレッスン業に携わってきて改めて思うことですが、持っている楽器のレベル相応に上達するということは、事実としてあると思います。極端な話になりますが、初級のステューデントモデルで音大生レベルまで上達することは厳しいです。かといって、いきなり最上級クラスの楽器を買ったらすぐにそれ相応に上達するかというと、そういうわけではありません。むしろどっしりとした重量の楽器だと疲れてしまうし、無理やり鳴らそうとして癖がついてしまうこともあるので、ステューデントモデルは初級者にとって大変意味のある存在です。ですが、自身の体に合ったある程度のレベル以上の楽器を使うと、楽器が良い音・良い響きを教えてくれるような感覚もあって、自然と上達に結びついてくれることもあるのです。

初級の楽器でぶち当たる「壁」とは?

初級の楽器(特に40万円台くらいまでのもの)は、初めての人が楽器を鳴らすことに苦労しないように作られているので、そのレベルを超えてくると、いろいろな問題が出てきます。私が実感したこととは

  • 抵抗が軽すぎてコントロールが難しい
  • ピッチが安定しない(軽いことですぐ動いてしまう)
  • 音色の引き出しを増やしにくい
  • 響きを作りにくい
  • (楽器によっては)リードが決めにくい

これは、音が出しやすいことにフォーカスを当てていること、低コストゆえに起こることで、根本的な解決にはやはり楽器のグレードを上げるということしかありません。中高生である程度練習している方なら、だいたい2年くらいで自身が楽器のレベルを超えてくると思いますので、中高生がそこから長年続けるのであれば、初級の楽器はどこかで一度は買い替える前提となると思います。

どのくらいの熱量でオーボエに取り組んでいくか、見極めてから購入を!

上達が早い子だと、1年ぐらいで初級の楽器が物足りなくなることがありますし、逆に楽器や部活が合わず数ヶ月〜1年で辞めてしまうケースも少なくないので、いきなり初級のマイ楽器を買う選択肢に進むのではなくて、できれば1〜2年くらい学校楽器やレンタル楽器で様子をみてから、どの程度のレベルの楽器を購入するかお考えになるのが良いと思います。私がずっと「いきなり購入しないほうが良い」とお伝えしているのは、こういうことも想定しているからなのです。

学校さんによっては、部活に入ったらすぐ自分の楽器を購入するルールのところもあり(特に中高一貫の進学校に多い!)そうなると初級をとりあえず買わざるを得ないような状況もあると思いますが、当教室はレンタルも行っているので、一度ご相談頂けたらと思います。

もし、「オーボエ大好き!もっと上手くなりたい!」と情熱的にオーボエに取り組む姿勢があるなら、大学生・社会人になっても使い続けられるようなグレードの楽器をどんと購入してしまうのも良いと思います。新品だといまは大変高価なので、状態の良い中古も視野に入れても良いですね。

一番悲しいのは、「なんとなく買っちゃって後悔!」

今回この記事を書いたのは、なんとなく初心者は一番下のグレードの楽器を買うものかなぁと、とりあえず買ってしまうケースをなくしたいと思ったからです。あとから、「やっぱりこのレベルだとこれができない、なんで知らないで買ってしまったんだろう」と悔やむことや、「買い替えなんて考えてなかったから、楽器のレベルに満足していないけど部活引退までこのまま初級の楽器じゃないといけない」とモヤモヤを抱えたまま何年も演奏すること。これほど悲しいことはありません。初級の楽器がどのようなものなのか理解した上での選択なら、そういうことはないですよね。

中古も新品も高価になってしまった昨今、1回の大きなお買い物にたくさんの思い入れを込めて、後悔のないご選択をして頂けるように頑張ります♪