前回の記事に続きます。

プロの演奏家として活躍する友人たちを見ていると、夢を叶えたはずなのに(なのに、というか、だから、なのか)ものすごくいつもしんどそうにしています。少し前に、今も輝く大スターの友人が「田舎に帰ってコンビニでパートをしながらひっそり子育てをして過ごしたい」とぼやいていたのは衝撃的でした。信じられない量の楽譜を毎日さらって本番をこなしていく毎日で、それでも替わりはいくらでもいる、という環境は過酷なのだそうです。あぁ・・・聞いただけで辛い。頑張っている友人たちを大尊敬します。私には出来ません・・・。

また他の友人は、早々に会社に就職して日曜音楽家になりました。平日は会社勤めをして、退社後に練習をしたり自分のやりたいことを実現していっているようです。

前者と後者、どちらが正解かはその人しだいです。前者はしんどそうだけど夢は確実に叶えている。後者は音楽を楽しむゆとりはあるけれど果たして音大に行く必要があったかどうかと言うとなんとも言えないと話していました。どちらが良いかは言えませんが、人生にしんどさがある状態では何事も長くは続きませんので、まずはいかに楽しく生きて行くかを考えるのが大切だと私は思っています。

オーボエ奏者として生きようとすると、いろいろな悩みがつきものです。でも、今の私には不思議とそれらが「悩み」という形ではなく、それぞれを「旅」のように感じて楽しめるようになりました。なぜ楽しめるか、というと、自分に合った生き方を見つけられたからだと思います。皆自分に合った状態というものがあると思うので、無理にオーボエだけで生きよう、とか、お金を得よう、と思わずにどうか自分らしい生き方を見つけていけたらと思います。音楽を学ぶ学生たちに、そのお手伝いをしていきたいですね。

昔の自分に、これを伝えたいです。