最近TVでも取り上げられていましたが、プロオーケストラ団体が続々と新しい世界の中で演奏会活動を再開されているようです。でも今まさに再拡大している状況でイベントの自粛は解除され、GOTOキャンペーンも今月からスタートということで、「このままで良いのか?」とご不安の中の再開ということをお察しいたします。出来ることならローランド様のようにホストクラブを閉店してもなお従業員の雇用を保証し空家賃も支払い続けるような男気は見習いたいところですが、演奏団体の多くの財団法人は持てるキャッシュに制限があるのだそうで、春の緊急事態宣言時に聞いた話では3ヶ月分ほどしか持てないシステムなのだと。もうこんな状況になって半年近く経ちますが、どこの団体も現時点では解散することなく踏ん張ってどうにか存続していらっしゃるものと思うと、胸が熱くなります。

今の逼迫した国や自治体の様子を見るに、芸術文化活動などに予算を費やしている状況でないこともよく分かります。私たちの世界以上に飲食店さん・ブライダル業界・ホットヨガ等集団レッスン業態・接客業などはもっともっと大変な状況にあると思います。もう、数え上げればきりがなく。だいたいの方が大変ですよね。だから音楽業界は自分で立ち上がろうと頑張っています。

芸術はいつの時代も、苦しみに満ち溢れた世の中の光となって民の心に寄り添ってきました。例えばスペイン風邪が流行したとされる1918年はホルストが「惑星」の初演をした年です。1918年というとさらに言えば第一次世界大戦の終わり頃。こんなとてつもない闇の時代にもこんな名曲が生まれています。芸術そして芸術家とは底しれぬパワーがあると思いませんか。

そしてこの名曲を奏でて行くためには、演奏家は常に腕を磨き続けなければなりませんので、そういう意味でも「芸術文化を止めない」ということが重要です。オーボエを吹いていらしたらお分かり頂けますよね、練習しないと吹けなくなります。演奏会がないというだけでモチベーションが下がっていたらプロじゃないなとも思うのですが、アンサンブルすることや舞台に立つこともまた鍛錬であり、それは自宅で個人練習するだけでは繋ぐことが難しい側面があります。

このような世の中でイベントを開催することに賛否があると思いますが、向き合いながら新しい世界でも伝統的な文化をつなげていこうとされる試みを私は心から応援し、これからも出来る範囲にはなりますが支援を続けていこうと思っています!