本日の記事は、オーボエ専攻の高校生・大学生を前提に書いているので、なかなか辛口でご趣味で楽しまれる方には当てはまらないことも多々あるかと思いますが、「音大生ってこんな感じなのね」と思って頂くきっかけになれば幸いです♪
音楽を専門に学んでいるかつての弟子たちからは、メンタルに関する相談がよく寄せられます。
- 本番で思うような力が出せない
- レッスンや本番で精神的に追い詰められる
- 練習に気持ちが向かない
よく聞いているお悩みはこのようなこと。音楽を専門に学ぶということは、「音を楽しむ」から「音に悩み苦しむ」方向に向かっていくことでもあるので避けて通れない道でもありますが、限界を超えると心身の調子を崩してしまうので、上手く付き合いたいです。
演奏家を目指している人という前提の場合、オーボエにまつわる悩みを根本解決するには
- 自分自身が気持ち的に納得できるところまで、とにかく練習をする
- 一度楽器から離れる
基本はこの2極ではないかと思います。本番で思うような力が出せないという問題に関しては、本番の演奏こそが本来の実力なので、自分の実力を高く見積り過ぎている可能性があります。本番で思う演奏が出来るようにするには、単純に練習や準備が足りていないものと考えて、今まで以上に練習に集中していけば良いだけだと思います。どのくらいかは人それぞれ違い、とにかく大事な基準は本番を迎える前に「これ以上ないところまで練習した」と自分を疑わずステージに上がれるところまでです。
しかしその過程で心身の限界スレスレまで頑張ってしまい、追い詰められてしまうケースはたくさん見ますし、私ももちろん経験があります。音大生にとっては洗礼みたいなものなのかもしれません・・・。この洗礼を経験してみて、演奏家以外の道を模索する学生さん、燃え上がって留学まで走る抜ける学生さんと、将来が分岐していくイメージがあります。メンタルの器の大きさは人それぞれなように、オーボエとのベストな関わり方も人それぞれ、正解はその人次第です。
「押してダメなら引いてみろ」ではありませんが、とにかく練習に没頭して本番を迎えてもどこかしっくりこないという場合に、先ほどの2つめの選択肢である「一度楽器から離れる」という手段を使ってみるのも良いかもしれません。音大生ともなるとオーボエが強制的な生活の一部になってしまうので、あくまで任意であり、自分の意思でこの道に進んだことを今一度思い出させてくれます。海外で演奏家をしている人たちは、夏に長くお休みをして、英気を養います。演奏をするって、心のエネルギーをしっかり溜め込まないとできないので、楽器から離れて五感を磨いて心を休めてみるのも大事です。
見えない自分のメンタルの器のギリギリを見極めつつ、オーボエの道を邁進してきたいと思います!