私の愛用しているオーボエ(マリゴ M2)は、かれこれこの秋で9年目にさしかかりました。

この楽器への出会いは、衝撃的なものでした。当時はまだM2は出て数年で、演奏される方がまだ少なかった頃です。

大学生だった私はマリゴ901を使っていて、それはそれは音程の取りにくい子で手を焼いていました。その頃習っていた先生方からは口をそろえて「楽器を買えた方が良い」と言われていたし、もう音大に入った瞬間から、この楽器ではだめだということには気づいていました。けれども買い替えなんて簡単に出来るものでもなく、自分でなんの努力もせず親にお金を出してほしいと言うのは、ただでさえ音大はお金がかかることを思うととてもできなかったので、練習の合間にアルバイトをして、少しずつ準備をしました。2年くらいして諸々のお祝い金など含めてやっとまとまった額を貯めることができて、買い替えのめどが立ち、夏休みにお友達と楽器屋さんに行きました。

そこでM2の試奏をすすめられて、吹いてみました。

なんて音程が取りやすい楽器!そして倍音がすごいこと!一緒にいたお友達も「なんか、すごいはっきり倍音がいっぱい聴こえるね」と言っていました(笑)とにかくその日、私はこの楽器を買おうと心にきめたのです。

しかし、先生は違うメーカーのものをお使いで、門下生は皆そのメーカーを使っている。たしかにその楽器も良いし好き。でも私はM2が欲しい!!と思って夏休み明けのレッスンで思い切って打ち明けてみたところ、「僕もM2は素晴らしいと思うよ」と仰っていたので、よしもう買おう!!とその翌週にはお店で先生にも来ていただいての選定を行いました。

自分の貯蓄で足りなかった分は少し親に助けてもらったものの、半分以上の額は自分で貯めて苦労して手に入れた楽器。そして2代目だからこそわかる大切さを感じて、本当~~~に嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。

気づけば初代の子よりもだいぶ長く共にしていました。演奏頻度の高いプロの世界では数年で買い替える方が多いので、私もほぼ毎日吹く生活をまる8年してしまっているために、もう結構なおいぼれのようです。けれども、初代の子のような不満はないので、気づけばこんなに経っていた、という感覚です。

それにしても、そろそろ買い替えなきゃな~と去年くらいから本格的に考え始めていたのですが…

 

次回に続きます★