事務仕事をしながら、なんとなく20年くらい前の吹奏楽コンクールのCDを流してみたのですが、中学生の演奏っていいですね。まだまだ子どもらしくて、生き生きとしていてパワフルで、そして荒削りなところも、なんだか元気が出ます。でも当の本人たちはプロの演奏を聴いて「もっとこうなりたい!」と思うのでしょうけれど、中学生には中学生にしか出せない新鮮で活動的なサウンドがあります。これでいいよ、と私は思います。

音楽って決して上手であることがゴールではないのです。演奏でお金を頂くプロにとってのゴールのひとつはそこなのですが、これはごく一部の人にとってのことで、それ以外の人にとっては無理して背伸びせず、ありのままの自分の音を表現して、楽しむことがゴールなんじゃないかな、と近頃すごくそう感じています。

このまだ発展途上な中学生たちの音がもしいきなり完璧に熟した音になってしまったら、なんだか寂しいものがあります。プロのCDを聴いたりして目標を定めがちですが、あえてあまりそういったものを身近にせず、自分たちの「今」出ている音を大切に、「今」を音楽してほしいなぁと思いました。

プロのCDのようにピタっと合ったアンサンブルではないかもしれない、堂々とソロが演奏出来ないかもしれない、でもそれで良いんです。自分は自分だから。逆に、大人たちが中学生みたいに演奏しようとしても絶対にできないんです。つまり、若く経験が浅いことも、その時にしかない大切な財産だということ・・・。

中高生の演奏って、大人のハートを動かすすごいパワーがありますね。お仕事しながら感動しています。