皆さまは、演奏する楽曲の楽譜はどのように調達していらっしゃいますか?私のレッスンでは、曲集のうちの1曲といった部分的な演奏のときは私の楽譜をコピーして頂くことがありますが、クラシック楽曲に取り組むときは基本的にご購入頂くようにしております。それには深い深い理由があるので、ここに記していきたいと思います。
著作権保護のため
著作権が切れた作曲家の楽曲を中心にIMSLP(ペトルッチ楽譜ライブラリー)にアップされていて、そちらからダウンロードすることができますが、ここからダウンロードしていると楽譜を出版してくださる出版社さまを支援することができません。クラシック音楽業界を元気にするためには、楽譜を購入するということも大切なことだと思います。
作曲家の正しい解釈を汲み取るため
クラシックだと、ひとつの楽曲に対して複数の出版社が出しているものも多いと思います。原典版、アレンジ版、修正版などいろいろありますが、出版社が違うことで強弱やアーティキュレーションや音が違ったり、極端な例では小節数が違うなんていうこともあります!私はなるべく、作曲者自身の意図が反映されている原典版かそれに準ずる版を使うように心がけています。そのため、楽譜を自分で写譜して使ったりすることも記載漏れなどが起こりやすいのでおすすめしません。また、先述のIMSLPだと一般の方が写譜したものだったりするので要注意です。
原譜を使うことで、印刷が色褪せない
購入した楽譜を原譜として保存して、コピー譜で練習をされる方もいらっしゃると思いますが、できれば原譜そのものに書き込みをして使っていくことをおすすめします。コピーだと時間の経過で色褪せてしまったり、紙質が薄いのでボロボロになりますが、原譜はしっかりと固い紙に色褪せない印刷をされているので、時間が経ってもまた思い出して演奏して頂きやすいです。
紙の楽譜を見るのと、画面ごしにPDFの楽譜を見るのとでは、違うらしい
これは脳科学で実証されていることらしいのですが、紙から情報を受け取るのと、画面越しに見るのとでは、脳の使い方が変わるのだそうです。紙媒体から得た情報のほうが、脳が分析しやすいのだそうです。(画面の情報だと全体を俯瞰をしてしまうらしい)
このデジタルの時代にあえて紙の楽譜を使うということ、非効率に見えてこんなにもたくさんの理由があるなんて面白いですね。私のレッスンでは曲集やエチュードを一部抜粋して行ったり来たりすることも多いので、その曲集からエチュードも何から何まで購入となるとかなりの経済負担になってしまうので、そこまでする必要はないと思いますが、長く取り組む1曲はぜひ購入して大切に使ってみてはいかがでしょうか。

