なぜか9〜10月にかけて、中学3年生の進路相談のお問い合わせがとても多かったです。ちょうど11月前後くらいに三者面談があって、進路が決まっていよいよ受験に向けて準備に本腰を入れる頃ですよね。

当教室では、割と中学3年生の部活引退後に駆け込みで音楽高校受験対策のご依頼を頂くことが多いです。本来なら少なくとも3年生に進級したくらいには対策を始めるべきことなのでやっつけにはなってしまいますが、ギリギリでも過去の第一志望合格実績は100%ですので、困ったらぜひお問い合わせくださいませ!

さて、今回ご相談頂いたことで、私自身の考え(=教室としての方針)をお伝えしておきたいと思いましたので、何回かに分けて記事を更新していきたいと思います。

音楽大学で勉強し、将来はプロになりたいと思います。まず、高校は全国レベルの吹奏楽強豪校に入りたいです!

こんなお問い合わせがありました。筆者山内もそれなりに厳しい吹奏楽部出身ですし、部活動と音大受験対策の両輪で頑張る子を応援する思いはあります。でも、もし中学校からオーボエを始めていたとして、もう一度高校をやり直すとしたら、同じ道を歩むだろうか・・・しばらく考えました。

吹奏楽強豪校に入ることへのメリット

  • 指導にいらっしゃる先生のレベルも高く、「部活動」の中ではかなり高水準な指導を受けることができる
  • 音楽大学への指定校推薦等のパイプがある場合も多い
  • 厳しい上下関係を学ぶことができる

吹奏楽強豪校に入ることへのデメリット

  • 吹奏楽部員特有の癖がつき、取り除きに時間がかかる場合がある
  • 生活の大半の時間を部活動に取られ、引退もかなり遅いので、(一般大学であっても)基本的な受験対策に遅れが出るor 全く出来ない
  • トレーナーの先生に師事することが基本となるので、その先生のご方針によっては習いたい先生に師事出来ない場合や、行きたい音楽大学を受験出来ない場合がある

ざっと上記のようなメリット・デメリットがあります。吹奏楽強豪校ならではの経験がたくさん出来る点は、素晴らしいと思います。部活動とは、後で経験することが出来ない大切な3年間。しかし、中学3年生の時点で音楽大学に進学したいと思う気持ちが固まっているなら、受験対策は高校1年生からみっちり3年間行うことが理想。実際中学生からオーボエを始めた同級生の多くは高校1年生にはスタートダッシュをしてました。高校からオーボエを始めた人(私含め)も高校1年の冬くらい、遅くとも高校2年生に進級したときには対策をスタートしているのが周囲の平均値です。受験対策という点だけで考えると、朝から晩まで部活に明け暮れていた時間はかなりのネックで、課題のエチュードを練習していると先輩に「部活に関係ない曲を練習をしないで!家でやりなさい!」と怒られたこともありました。大体19時くらいまで部活があるので、そこから自転車で帰って、夕食等大急ぎで済ませても練習開始は20時半以降・・・朝は6時には起きていたはずなので、もはや半分寝ながら練習します。これってどうなのでしょうね?結局うまくいかず、毎度先生に怒られていました(涙)

いま振り返ってみると、部活動はきっぱり諦めてどこかのジュニアオケに入る等して、集中してオーボエと向き合っていた方が、受ける大学にも幅が出来たのではないか?とも思います。音楽大学に入学することは難しくありません。部活動を続けながらでも、どこかしら受け入れて下さるところはあるはずです。しかし問題は入ってからのこと、卒業したあとのことです。青春と受験、これは天秤にかけるべきことではないと思います。

今になって、部活両立反対派の先生のお気持ちが、とっても良く分かります。今の私も、どちらかというと両立はおすすめしないですが、最終的にはご本人の気持ちや将来のビジョン次第ですので、無理強いはしないですよ(^^)

次回は、音楽高校について触れたいと思います♩