中上級レベルになってくると、最近作曲されたオーボエのための作品に取り組むこともあります。ちょっと聴いていて「!?」となるような特徴的なメロディやオーボエの扱い方にびっくりされる方もおられますが、現代のオーボエに出来ることを盛り込んでいるので、昔の曲より技術面で難しくなるぶん気づくものがたくさんあるように思います。

例えば、発音はもっとスマートに行いたい、音の跳躍が楽になりたい、弱音が素直に出るように、等々。古い時代の曲以上にオーボエに求められることがシビアになります。それまで「きれいな音を出そう」と思ってリードを選んでいたけれど、それが一つ目の基準になってしまうとそのほかの機能性が二の次になってしまうので、おそらくリードの選考基準も変わってくると思いますが、私が近現代曲を学ぶ上で狙っているのはそこです。オーボエにおいてもちろん音色は大事なファクターですが、そのひとつのために色々なことを犠牲にするのはナンセンス。オーボエは不器用な楽器なので、器用にこなせるリード・楽器であることはまず大前提として必要なことで、合奏等で活動される方には特に意識して頂けると良いポイントです。自分の思う「良い音」のために音程が合わなくなっていたり、運動性を失っていたりしませんか?リードにおいて大事なものは、それぞれのバランスです。発音が楽に出来て、弱音もそこまで無理せず出て、音程もまぁ取れる、というリード(これがそうそうないのだけれど・・・)なら、音色はそのあとで付いてきますので、大丈夫なのです。

モダンオーボエを前提に作られた曲は、古くに作られた曲よりも技巧的なので、楽器もリードも演奏者にも、よりいっそうの柔軟性が求められます。今は合奏の活動が出来ませんので、テクニック上昇のために、近現代レパートリーにもぜひ触れてみてください。素敵な曲が無数にありますよ♪