日々レッスンをさせて頂く中でたくさんの気づきがありますが、それを生徒さまにそのままお伝えするだけでは上達には繋がらないなぁと感じます。もっと言うと、どんな講師に習ってどんなことを言われようとも、そこで上達するわけではないように思います。大事なのは誰に習ってどんなことを言われたかではなく、自分自身で気づいて感じて理解しているかどうか。「分かりました〜!」と言ってレッスンを終えても、その次にレッスンをすると、あれ?また同じことだ!と繰り返してしまうことは、よくあります。ご自身では気づいたつもりでも、体で感じられていないと、それは本当の意味での理解ではないかもしれません。私もあります、分かったつもりで分かってないこと。本当の意味での理解に行き着くには、時間がかかることもあります。言われただけでは分からないこともいっぱいありますが、これは上達するには避けては通れない道です。その大変な道のりをお手伝いするのがレッスンの役目。講師によって、時によって、ほんの少しのヒントしかお伝えしなかったり、100%細かくご説明したり、伝え方はそれぞれですが、自分で気づくために必要な分を見極めています。

だからレッスンって、奥が深くて楽しいんです。教えることで新しい気づきが起こることもあるし、ただオーボエの上達だけでなく、生徒さまの心模様や人間模様を通じて学ぶものもあります。そうして私たちはレッスンを通して生徒さまからたくさんの学びを頂いて、自分自身の音楽家としての人生を豊かにしています。

余談ですが、ありがたいことにコロナ禍ですがことねオーボエ教室はご新規さまがたくさんいらっしゃるので、今年2回目の新人講師を迎え入れる予定があります。演奏家たちにとって仕事の取り合い状態で応募が殺到中ですが、こういった形で音楽業界復興のお手伝いが出来ればという思いです。講師のお仕事って本当に楽しいですよ。人の心に触れること、コミュニケーションが好きな方には特におすすめしたい職業です。