長年私を知ってくれている方と演奏のお仕事をさせて頂く機会がありました。その方との演奏では初めて2年ほど前に購入した楽器を使ってみたら、「その楽器が合ってるんだね」と言われ・・・自分としてはこれまでも自分に合った楽器を使っている自覚だったけれど、確かに一番新しい楽器だとこれまで使ってきた楽器自然に自由に長く演奏をし続けられる。この感覚のが、「合っている」ということなのかな?となんとなく分かってきました。どうやら私はオーボエを始めて20年、ようやく自分に合った楽器を見つけることができたようです。
生徒さまの楽器を選ぶとき、音の好みや方向性などで機種を絞ることが多いのですが、最終的に見逃すことができないのが、その楽器のコンセプトがその人に合っているかどうかという点だと思います。
今回は、皆さまが今自分が使っている楽器が自分に合っているかどうかを判断する基準をいくつか挙げてみたいと思います。
合っていない楽器に起こりやすい現象
- バテやすい、長時間演奏できない、疲れる
- 楽器が響かない
- ピッチが取りにくい
私の場合は、このような現象がありました。楽器固有の経年劣化や状態悪化といった原因でも起こりえますが、相性の問題でもあり得ます。
合っている楽器に起こりやすい現象
- 音階やフレーズがなめらかに演奏できる
- 無理せずできるので、疲れにくい
- 楽器がよく響く
生徒さまの楽器選定のときに聴いていると、合っている楽器のときに起こる豊かな振動、これがはっきりと感じられるので面白いです。とくに初心者の方だとごまかせない分顕著です。
近年、新品楽器が高騰してしまい、ネットで楽器店の販売価格を見て「これは無理だ」とメルカリ・ヤフオクなどで購入してしまうケースがまた増加傾向にあります。このコラムに何度も何度も書いてきたので一時撲滅しつつありましたが、これだけ試奏して選定してきた私でさえも自分に合う楽器を自分で見つけるのがとても困難だったのに、オーボエを深く知らないまっさらな初心者の方が、楽器の現物を見ることも試奏することもできずに購入するなんて、これほど勿体無いことはありません!また、試奏するにしても自分はそう思っていても遠くで聴いている人からは反対の意見をもらうこともしばしばありますので、自分の感想だけで選ばないというのも大事です。本当に心がけてほしいことなので何度でも申し上げますが、
オーボエは、現物を見て・吹いて、聴いてもらって・吹いてもらって、選びましょう!!!!
何も知らずに買って残念な思いをするオーボエ吹きが、どうかいなくなりますように・・・