結局、ことね先生の思う一番推しのオーボエメーカー(機種)ってどれなんですか?

という疑問を投げかけて頂くことがあります。あんまり私個人としてどこのどれが好きと言及すると、その楽器でないとダメだと言っているように捉えられてしまったり、他のメーカー・機種を否定しているように感じる方もいらっしゃるような気がしてはっきりとは書いてきていなかったと思います。そしてそもそも、「最推し」の定義によっても変わります。私にとって良いと思うものと、生徒さまに推したいものは、違うからです。

今回は、「生徒さまへの最推しオーボエ 新品部門」ということでセレクトしてみたいと思います。

まずは、ヤマハ/831L

総合的な判断での最推しは、デュエットプラスが搭載されたLモデルのヤマハ/831です。推している理由は下記のとおりです。

  • デュエットプラスなので割れない&内径の変化もほぼない=長く一定の品質が保持される
  • 調整頻度が通常のものよりも少なく済む
  • 海外製と比べると大変リーズナブル
  • リードのストライクゾーンが広く、選びやすい

通常の831も良いのですが、初めてのマイ楽器としてオーボエを買うなら、なるべく割れにくく耐久性の高いものが安心です。オンラインサロン会員の方など地方にお住まいの方は、頻繁に調整に出せないので特におすすめしています。ただ、デュエットプラスぶん抵抗感が増すので、体力が少なめの方にはしんどい可能性があり、その辺りはお好み次第です。

マリゴ M2

結局そこ!?という感じですが、特に2022年ころからのM2は、ストラディヴァリウスのヴァイオリン並に完成されている唯一無二のオーボエモデルだと思います。他社の追随を許さない、ほぼ完璧な楽器です。こちらも、具体的な推しポイントを記したいと思います。

  • 経年劣化を感じても、トップジョイントを買い替えることで、新品に近い響きで長年楽しめる
  • 倍音豊かな音が簡単に出せる=アンサンブルがしやすい
  • キィ構造も含めて体に馴染みやすくできているので、高齢になっても無理なく演奏できる

2026年現在で250万円程度とたいへん高価ではありますが、歳を重ねても無理なく演奏できるような楽な楽器なので、一生に一度もしくは最後の1本として選ぶには最良です。長年の演奏のお悩みが楽器のお買い替えでほぼ解決してしまったりする魔法の楽器ということで、高価ですが50代以上の大人世代には特に推したい一本。実際試奏してみてその良さを体感してご購入されていますね。

ただし、トップジョイントだけで2026年現在で30万円台なので、気軽には買えません。また、いくら新品に近い響きといってもやはりボディの胴部管起因の劣化は必ず起こるので、ご趣味の範囲なら30年くらいは大丈夫でも、さすがに40年50年までは難しくなってくるように思います。

ヤマハ/831LやM2だからといって全ての楽器を推しているわけではありません

ただし重要なことが1点。いま挙げた2機種なら、どのようなものでも新品なら両手を挙げて賛成♪というわけではありません。とても大事なこと。それは、オーボエは全てのメーカー・機種において個体差が必ず存在しているということを、どうか忘れないでください。購入するときは、ご自身の演奏をよく知っているオーボエの専門家に必ず付き添ってもらい、楽器の良し悪しや吹き手との相性をしっかりと見極めてもらうことをおすすめします。