基本的に大人の生徒さまが多い分布なので、この教室にいると8〜9割くらいは大人の方のレッスンなのですが、価値観も考え方もしっかりとした大人だからこそ、頭をやわらかくして創造することを大事にしたいなと思う今日この頃です。
創造は、アンテナありき
なるべく簡単に言語化してレッスンするようにしていますが、音楽は世界共通言語。日本語に直訳できない海外の言葉のように、言葉で説明できない音楽表現も山のようにあります。曲づくりをする上で、より高度なレッスンになればなるほど、話すより演奏しながらレッスンすることが増えていくように思います。「こんなふうに」とお手本で演奏したものを、生徒さまはアンテナを張り巡らせて聴いて頂き、今度はご自身で表現!という流れで行きたいのですが、この「アンテナ」が少ないと、なかなかうまくいきません。
まずは、アンテナ育てから
感性のアンテナは、リアルの世界にあるアンテナのように急にポンっと設置できるものではなく、植物のような生き物に近いかもしれません。良い音楽を奏でるためには、まず良い音楽を聴くことが最初の一歩です。いろいろな演奏会に足を運んで音楽に触れ、感想や思いを温めてみましょう。これが種まきになります。
続いては、練習のとき。ひとつひとつの練習も、自分自身をレッスンするような気持ちで見直してみます。「レッスンだったら、こんなことを言われるかな?」から始めて、「こんなふうに演奏したら、素敵かな?」というより積極的な表現まで、トライしてみましょう。そこから枝分かれして、リードや楽器のことまで考えることが増えていくと思います。レッスンで言われることを待っているスタイルのみだとなかなかアンテナは育っていかず、「レッスンの時はうまくいくのに個人練習になると・・・」という現象に発展しやすくなります。
一から十まで言語化して、気づいたことを細かくお伝えするレッスンは、初心者の方には親切で良いのですが、ある程度ご自身で練習できる方ならば、大事なポイントはご自身で考えて頂くということも必要かなぁと思います。ある事柄を誰か経験者に聞いて、「これは〇〇で××だったよー」と言われるとあたかも自分が経験したように錯覚して自分はとくに考えず結論づいたことにしまうのですが、実際に自分が経験してみたら全然違う、みたいなことはよくありますよね。いまはネット検索してしまえば誰かの体験談はだいたい見られてしまうから、行動したり想像したりする機会が誰しも減ってしまっているような気がします。そんな便利な世の中だからこそ、自分で想像し創造することを、大切にしたいですね♪