「なんにも練習していないので、先生に申し訳なくて・・・」

こんな言葉をかけていただいた時に、ハッとしました。私はレッスンの日には「よーし今日もオーボエと生徒さまと向き合うぞ!」と気合いを入れるのですが、それがかえって生徒さまへ重荷になってしまっていたのだなと。私はただ、レッスンの時にオーボエや音楽、生徒さまと真正面から向き合うことが好きでそうしているだけですが、生徒さまにもそれを強要してしまっていたのかもしれません。反省です・・・。

社会人になると、レッスンまでの間に練習出来ないことは当たり前に近いです。オーボエ奏者目線で練習頻度はこれくらい、などと書いていますが実際にそれが叶う方はごく少数です。週に1回練習出来れば御の字です。お仕事が忙しくてオーボエから遠ざかっていくと、「またどんどん吹けなくなるな・・・」とネガティブになって、ケースを開けるのがなんとなく嫌になってしまって、レッスンに行くのもなんだかどんよりしてしまうことも、あると思います。

いきなりな上に極端な例えですが、仮に人生が今日終るとしたら

「私の人生楽しかったな。そうそう、オーボエも吹けたし」

と生徒さまに思って頂くことが、私の人生のテーマかなと気づいたのです。私の思う上手くなる練習をレッスンで淡々と積み重ねるだけでそのゴールに行き着けるかと考えたときに、答えはNoです。

上手になるために必要な練習もたくさんあるのですが、やっぱり根本は楽しめていないと全く意味がありません。私自身がオーボエを続けるのも、お金のためでも自分のアイデンティティのためでもなく、ただ楽しいからです。かつてはそうではなかったのですが、三十路になる頃にようやく気づけてシフトチェンジしてきた2年を、今度は生徒さまにアウトプットする時かなと、レッスンの仕方改革をしようと決意したのでした。