こんなお話を耳にしたことはありませんか?

オーボエって割れるぐらいの楽器のほうが良い木らしいよ?

むしろ割れたほうが良く鳴るようになるって!

私も学生時代に当時の師匠からそんな話を聞いたことがあります。あの時に何故だかしっかり聞けば良かったんですが、この説についてよく考えて記事にしてみます。

どんな木でも、扱いが悪ければ高確率で割れる

「良い木だから割れる」というエピソードは、基本的には楽器を割っちゃって落ち込んでいる人への慰め言葉であるような気がします。どんな質の木でも、使い手の扱いが悪ければ簡単に割れます。扱いの悪さで割れたものを「良い木だからだ〜♪」と都合解釈するのはミスリードだと思います。

割れた後に状態がより良くなる説についての私見

私自身で複数の楽器で経験した事実として、割れた後になんとなく楽器の調子が良くなる感覚を得たことは確かにあります。しかし、割れたことが調子に直接影響したというよりかは、よく振動して木が動いて吹き手に適応してきていて、その過程で割れたというような感じだと思います。割れたことが楽器の鳴りに直接好影響をもたらしてはいない気がします。

よく鳴る・響く楽器は、割れやすい傾向

とくに裏付けはない個人的な体感でしかありませんが、よく振動して響き豊かに演奏できる個体は、少し割れやすい傾向があるような気がします。湿度・温度管理をしっかり行なっていても、割れる個体と割れない個体がどうしてもあります。どんなに丁寧に扱っていても、割れるときは割れます。

奥までがっつり割れたりトーンホールまで亀裂が入ると要注意

いくら良い木といっても、奥までビシッと割れてしまったり、割れた範囲が広かったり、亀裂がトーンホールに達していると、演奏に悪影響は間違いなく出てきてしまいます。割れてしまう事象を100%防ぐことはできずとも、とにかく早期発見・早期治療が肝です。「ちょっとくらい割れていても大丈夫」と吹き続けてしまったり、一度割れたところがもう一度割れてきて、そこからより広範囲に亀裂が走ってしまうことがよくありますので、日頃からよく楽器の表面を観察してみてください。

一度割れた楽器は、その箇所を「古傷」としてしっかり覚えておいて、その後問題が起きていないか、ほかの場所以上に気をつけてみてくださいね。中古楽器の場合はどこが「古傷」か分からないと思います。リペアマンさんなどにお尋ねになってみることをおすすめします。