先日、私の行なっている教室事業のお話をさせて頂く機会があり、「オーボエというマイナー楽器でこれだけ展開するノウハウを教えて下さい」と言われたので嬉しくてドヤ顔でお話しようとしたものの、これといって特別なことはなにもしていないので、ノウハウというノウハウがなく。面白いことはお伝え出来ませんでした(笑)ただ日々当たり前だと思うことを当たり前にコツコツと積み重ねていくうちにこうなったというだけなのです。あと、「こうだったら良いな」を実現していくために必要なことを日々ほんの少しずつ実践していって、その延長線上でたま〜に大きめのプロジェクトに足を踏み入れたりすることもありますが、そんなことは滅多にありません。基本的には地味なお仕事の繰り返しです。

でも、強いて言うならば「今」を求めないことと、あとは断捨離名人であることが秘訣でしょうか。

何がしたくてそれには何が必要か、そして何が不要かを常に考えて、不必要なことは出来るだけ早く手放すようにすることだけは気をつけているかもしれません。教室としてお客さまから求められていることが何なのか、それを見極めて必要とされていることを取り入れますが、「これは必要なかったな」と少しでも思ったことはすぐにやめています。

色々な事業を見ていても、無駄の多いところは続かない。何をもって無駄というかという話から言うと、例えばこのような各種教室においては矢印が生徒さまを向いているべきものが、自分に向いていることも私に取っては不必要なので無駄と言えます。音楽家も、自身が世の中に必要とされているところを自身で理解して磨いて売り込めていれば成功しますが、矢印が自分に向いていたらどんなに上手でも絶対に売れない。それだけは間違いないと思います。

この話はレッスンにおいても言えることで、出来るだけきちんとした意味で上達をして頂くための近道をアドバイスさせて頂くようにしています。小手先だけの「今」なんとかする話だけでは根本的なテクニック向上には繋がらないと私は思っているので、今すぐ結果が出なくても焦らないでじっくりご自身と向き合う時間を取って頂けたら嬉しいです。

経営も、「今すぐ成功」なんてうまい話はありません。今頑張って結果が出るのは、ものすごく早くても一ヶ月後くらい。長いと年単位でかかります。結果が出ないこともいっぱいあります。オーボエも同じ。レッスンに行った瞬間劇的に上達することはほとんどないのです。